飛騨春慶塗製作工程




飛騨春慶は、大自然が育てた 栃・檜・サワラなどの良材を、見極める事
によって始めて、木地師・塗師の腕の冴えが生まれます。
製品には、板物・曲げ物・挽き物等有り、天然の木目をそのまま生かす事

が飛騨春慶の生命です。その為 幾世紀も受け継がれてきた技術とさら
にたゆまぬ相違工夫を加え格調高い優雅な作品が完成します。
 
ロクロ挽き 割目
ロクロ挽き 割目
栃材を主として特殊なカンナ(バイト)にて熟
練した手の感覚にて加工する。
サワラ材を主として用い特殊な鉈で割りその
割目を生かすその為材質により模様は全て
違ってくる。
 
批目 曲げ
批目 曲げ
批目は仕上げ削りの後年輪と年輪の柔らか
いところをはがし 人工的に批目を作る。
作業版の上にトタン板の先を固定しコロ(木製
で製品の大きさに大小が有る)とトタンの間に
板を入れて手で押しながら廻し巻きつける。
 
木地組み立て 目留め
木地組み立て 目留め
熟練した技で慎重に組み立てられる。 完成した木地に磨きを施し、とのこ により目
留め作業を行う。
 
色つけ・下地 摺り(スリ)
色つけ・下地 摺り(スリ)
色つけには黄色 或いは紅の染料を用い
る。木地に漆が急に浸み込まない様に 大
豆汁又はカゼインを2〜3回塗り木素地に薄
い皮膜を作る。
摺りは生漆を濾した物を刷毛でこするように塗
りつけ 漆を浸み込ませる。この作業を何回も
重ね 木地に漆が浸み込む事によって製品が
堅牢になり光沢が出てくる。
 
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上塗り 完成
上塗り 完成
一定量の漆をヘラ又は刷毛にて塗面に平均
に配分し 次に刷毛にてタテヨコに一定の厚
みで塗り 最後に木目に沿って塗り上げる。
飛騨春慶は木地師 塗師 二者一体の共同
芸術であり これが伝統工芸的工芸品として
他の追従を許さない素朴な味わいのある製品
に仕上げられる。


資料提供(飛騨春慶協同組合)


歴史
使用法

 
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