飛騨春慶塗製作工程
飛騨春慶は、大自然が育てた 栃・檜・サワラなどの良材を、見極める事
によって始めて、木地師・塗師の腕の冴えが生まれます。
製品には、板物・曲げ物・挽き物等有り、天然の木目をそのまま生かす事
が飛騨春慶の生命です。その為 幾世紀も受け継がれてきた技術とさら
にたゆまぬ相違工夫を加え格調高い優雅な作品が完成します。
1
2
ロクロ挽き
割目
栃材を主として特殊なカンナ(バイト)にて熟
練した手の感覚にて加工する。
サワラ材を主として用い特殊な鉈で割りその
割目を生かすその為材質により模様は全て
違ってくる。
3
4
批目
曲げ
批目は仕上げ削りの後年輪と年輪の柔らか
いところをはがし 人工的に批目を作る。
作業版の上にトタン板の先を固定しコロ(木製
で製品の大きさに大小が有る)とトタンの間に
板を入れて手で押しながら廻し巻きつける。
5
6
木地組み立て
目留め
熟練した技で慎重に組み立てられる。
完成した木地に磨きを施し、とのこ により目
留め作業を行う。
7
8
色つけ・下地
摺り(スリ)
色つけには黄色 或いは紅の染料を用い
る。木地に漆が急に浸み込まない様に 大
豆汁又はカゼインを2〜3回塗り木素地に薄
い皮膜を作る。
摺りは生漆を濾した物を刷毛でこするように塗
りつけ 漆を浸み込ませる。この作業を何回も
重ね 木地に漆が浸み込む事によって製品が
堅牢になり光沢が出てくる。
9
10
上塗り
完成
一定量の漆をヘラ又は刷毛にて塗面に平均
に配分し 次に刷毛にてタテヨコに一定の厚
みで塗り 最後に木目に沿って塗り上げる。
飛騨春慶は木地師 塗師 二者一体の共同
芸術であり これが伝統工芸的工芸品として
他の追従を許さない素朴な味わいのある製品
に仕上げられる。
資料提供(飛騨春慶協同組合)
歴史
使用法
戻る