漆器の使用法




御取扱いについてのお願い

  飛騨春慶は独特の塗法で塗上後数ヶ月間位経過しますと次第に本色調を発
揮して透明幽雅な色調を呈します。
  この間漆の中の油分がしみ出して塗面の強固作用と本来の光沢を出します
が、 油分は塵埃が付着して塗面を曇らせる事があります。
  その場合は、ガーゼ又は軟らかい布等で拭き取って下さい。
尚、油分が拭き取りにくい時にはアルコール又は揮発油 等にて拭き取って下さ
い。




新しい漆器

新しい漆器には漆特有の匂いがあるため、まず漆器を購入したら、その匂いを取ることから始めます。一番いいのは、直射日光の当たらない薄暗い、風通しのいい部屋で、半年から一年さらしておくことです。
 
空気を入れ換え、自然の風に当てて、匂いが抜けるのを待ちます。
それでもどうしても早く使いたい時は、うすめた酢を柔らかいふきんにつけ

て漆器を拭くとよいでしょう。ぬるま湯に酢をほんの少し入れた中に1時間
ほどつけておいても匂いは抜けます。または、米櫃の中に数日間入れてお
くとよいでしょう。
早く使いたいときのもう一つの方法は、製造元にいつできあがった漆器なのかを確認することです。
また、天然の漆を使用しているかを確認する事も大切です。
 
半年以上経っていればすぐ使うことも可能ですが、漆器はできるだけ翌年、あるいは翌々年のことを先取りして注文、購入するのがよい方法です。
 
 漆器の洗い方
漆器を使った後は、ぬるま湯で洗います。
ぬるま湯にひたした布で汚れを落とし、ふせて水気を切り、そのあとガーゼ

か柔らかい布(糊などのついていないもの)で拭きます。
ひどい油汚れは洗剤をうすめて使うといいでしょう。
 
湯水に長時間浸したり、合成洗剤を多量に使うのはよくありません。
クレンザーやたわしなどでゴシゴシこすると傷の原因になるので、使わない

ように。
水滴が残ると跡がついてしまうので、水分はきちんと拭き取ります。
陶磁器やガラス類など他の器と一緒に洗うと、傷が付きやすいので、注意

が必要です。
 
漆器の片付け方
水気がとれたら、乾いた布で再び拭くと、漆器に艶が戻ります。
ごしごしこすらないように軽く、拭いていきます。
 
指紋が付いてしまったら、息を吹きかけて布で拭けばよくとれます。
すぐ使う場合はそのまま重ねてもかまいませんが、長時間使わないとき

は、柔らかい布に包んで、木や紙の箱に入れると良いでしょう。
保管場所は、風通しがよく、直射日光が当たらず、湿気の少ないところに。
 
避けたいこと
直射日光や火熱のそば、極端な高湿、高温、冷暖房による乾燥は、漆器
の寿命を縮めるので避けるようにしましょう。
電子レンジやオーブンの使用も禁物です。
 
漆器の艶を保つために
塗膜の表面の艶が消えた場合、綿にごく少量の菜種油をつけて表面全体
をよく拭いた後、柔らかい布で油のくもりがなくなるまで拭けば光沢がでて
きます。
漆器の修理
欠けたり傷ついたりした場合には、柿渋を塗っておくと傷みがひどくなりま
せん。割れ、ひびが入ったら、使用を中止して早めに修理に出します。
こわれ具合によっては新しい品に取り替えましょう。
 
漆のかぶれ
漆器は体質により、ごくまれに”漆”にかぶれることがあります。
異常を感じたときは、すぐ使うのをやめて専門医に相談しましょう。


歴史
製作工程


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